White Lady
ホワイトレディ
東京 / 東京・日本橋エリア
2010年に単身欧州に渡り、異国のバー文化に触れバーテンダーの道へ。
2012年南大阪で初のウイスキープロフェッショナル試験に合格者に。 2013年には「ザ・グレンリベット・ブランドアンバサダー」を受賞し、更にウイスキーの道に傾倒する。 独学でミクソロジーについて学び、もっとウイスキーカクテルをとの想いから、2016年、日本最大級のウイスキーの品揃えを誇るバー「TOKYO Whisky Library」に入店。 オープンからカクテルとハイボールの開発やメニューの監修に携わり、同店主催のウイスキーセミナーの講師も務める。 2019年11月、マンダリンオリエンタルホテル東京のヘッドバーテンダーに就任。 15周年を迎えた同ホテルのマンダリンバーにて新たに活動を展開している。 プライベートではスペイン人の妻と共に日本バーテンダー初の「新婚さんいらっしゃい」出演を果たした異色の国際派バーテンダー。
もしもバーテンダーでなかったら何になっていたと思いますか?
子供の時は探検家に憧れていました。
①で答えた生き方は自分のカクテル表現にどう影響していると思いますか?
探検家とは未知の試みに挑戦する人のこと。新大陸の発見、未知の民族や文化の調査、「未知の領域」を対象とする踏査者の事。
バーテンダーとして味の探求するのはまるで探検家のようにワクワクする作業です
。 例えば、私が最初に出会ったホワイトレディは一般的なレシピのジンとコアントローとレモンジュースを入れてシェイクするものでしたが、バーテンダーとしての修行を重ねていく過程で様々な形のホワイトレディに出会い、試し、知ったと思った事にまだ知らない事がある事を知りました。そうやって「未知の領域」に挑み続ける過程は正に私が思い描く探検家の人生そのものでした。このまま宇宙でシェイカーを振る日が来る日までバーテンダーでいたいと思っています。
CLASSIC COCKTAIL
ジン、コアントロー、レモンジュースで作る甘みと酸味のバランスが心地よくシャープな飲み口のショートカクテルです。冷たいうちに飲むのが肝心。ロンドン生まれのその名の通りエレガントな印象のカクテルはですが、日本のバーでも根強い人気があり、現代のバーテンダーたちがどう解釈するのか注目です。
ホワイトレディは私が修行したバーで指導する上での指針となっていたカクテルで、私自身もよく練習しました。シンプルで奥が深く、知れば知るほど先がある、探検家心をくすぐるカクテルです。
ホワイトレディのポイントは如何にエレガントに仕上げるか。そういった意味では従来のロンドンドライジンのスタイルを踏襲しつつも、華やかで複雑な香りを持つシップスミスはホワイトレディのベースにピッタリのジンです。
カクテルにエレガントさを加えたいなら『同系統の香りをズラして配合』して、余韻を高めるのがセオリーです。
シップスミスのフレッシュな柑橘香のロンドンドライジンとジュニパーベリーのエッジが効いたV.J.O.Pを組み合わせる事で香りの輪郭を作ります。
コアントロー54は製菓用の為、通常のコアントローより高いAlc度数と糖度を持ちますが味が強すぎてカクテルには不向きです。しかし組み合わせる事でバランスが良くなり、オレンジのエッセンシャルオイルをより香り高く感じられる様になります。
最後に加える卵白は貴婦人の纏うドレスの様にこのカクテルの口当たりを優雅に彩ります。卵白に対してはコアントロー54の高い糖度も肯定的に作用します。卵白の入ったカクテルにボリュームを出すにははある程度の糖度が必要だからです。
最後に卵白のフォームの上にドライオレンジピールとドライレモンピールを振り掛ける事で柑橘の香りをよりクリスピーに感じられる様にします。 まるで輪舞曲のように優雅に幾重にも広がるシップスミスの華やかな香りをお楽しみ下さい。
卵白をよく混ぜたあとにボストンシェイカーでシェイクしてからダブルストレイン。 ドライレモンピールとドライオレンジピールをゼスターですり下ろして振り掛ける。