東西バーテンダー特集 #3 – 京都「BEE’S KNEES」生天目達成が飲みたいのは誰のカクテル？

生天目さんが指名するのは…「長尾和明さん(Bar LIBRE/東京・池袋)」

— 長尾さんを指名した理由は？

同い年であり、同じ境遇のバーテンダーなんです。

長尾さんはベトナム、僕はオーストラリアで、ともに海外のバーで働いた経験があり、日本語が通じない環境で苦労しました。ネオクラシックを目指すスタイルやコンペ(カクテルの大会)に挑戦する姿勢も似ています。

それに、長尾さんが掲げる「THINK GLOBALLY, ACT LOCALLY」というコンセプトは、グローバルさとローカルさを併せ持つ京都で働く自分の考え方とも通ずる部分があると思ったんです。

— どのクラシックカクテルを選んでいそう？

アグレッシブで挑戦的な方ですから、海外志向が強いハイボリュームでコシのある「マティーニ」を作りそうな気がします。

ですが長尾さん自身はかなりフレンドリーで、海外のバーテンダーのようなホスピタリティもありますし、お客様を楽しませながら提供しそうですね。

— 長尾さんとはどんな関係性？

実は直接会ったのは去年のことで、長尾さんがBEE’S KNEESに来てくれました。その時に、僕はマティーニをお出ししたんですが「美味しい」と言ってくれた時は嬉しかったです。

それ以前から長尾さんのことは知ってまして、活躍ぶりに刺激を受けることもありました。今となっては良き理解者であり、良きライバルですね。

— 長尾さんへのメッセージ

バーテンダーとして世界基準を目指している長尾さん、同い年同士切磋琢磨していきましょう！

長尾さんが作成したカクテルは…「ギムレット」

長尾さん：　キリッとしていて甘すぎないギムレットは好みのカクテルです。

レイモンド・チャンドラーの小説「長いお別れ」に出てくることでも有名なカクテルですが、これは友情の物語なんですよね。今回指名してくれたタッちゃん(生天目さん)ともそうですが、男として、そしてバーテンダーとして、そういった部分を忘れたくないと思いギムレットを選びました。

今回のレシピの特徴は、ずばり「伸びやかでコシのあるスワンのようなギムレット」です。

2種類のSIPSMITHをベースにしつつ、僕の故郷・香川の特産物でもある和三盆を加えることで味の骨格を作っています。シェイクする時にライムピールを加えることでシャープさを出しつつ、シトラス由来のビターさによって甘さと酸味のバランスを整えています。

一方、生天目さんが作成したカクテルは…「ジンフィズ 」

– Recipe –

① SIPSMITH V.J.O.P 45ml
② シトラールコンポーネント 20ml
③ カリブ シロップ 5ml
④ ソーダ 60ml
⑤ レモンバーベナ

ジンフィズは一般的に飲み慣れた味わいでカクテル初心者にも受け入れられやすい事から選びました。 レモンを成分として捉えて、爽やかな香りと酸味をもたらす、シトラールコンポーネントとして同じ香気成分を持つ、レモンバーベナ,レモングラス,レモンタイム,を加え清楚化したレモンジュースを繋ぎに使用しました。アルコール度数が高く強い芳香を持つV.J.O.Pの力強い味わいをシトラールがしっかりと引き出します。 更に透明な液体にする事で、キリッとしたテクスチャーが得られます。視覚的な印象と味わいのギャップに飲んだ時の驚きをより感じて頂けると思います。 ジン,レモン,シロップ,ソーダのシンプルな構成にハーブが新鮮に香る爽やかなカクテルです。