もしもバーテンダーでなかったら何になっていたと思いますか?
バーテンダー以外は今では想像はつかないですが、(18歳の頃)手に職を付けたくてやりたいことを探していた際に、当時アルバイトしていた帝国ホテルで宴会バーに配属されてから、バーの世界に興味を持ち始め、巡り合わせで、銀座にお店を持つ帝国ホテル出身の草間師匠にも出会え、あっという間に、バーテンダーの道を選びました。
手に職を付けたくてやりたいことを探していたので、そこでもしかしたら、今も好きな料理だったり、別のモノづくりをする仕事に出会っていたら、料理人など、〝モノ〟を生み出す仕事をしていたと思います。もしくは表現、役者の仕事も憧れていたので、宝塚歌劇団が好きなのもあり、入れたらですが男役をやりたかったかもしれません。(笑)
①で答えた生き方は自分のカクテル表現にどう影響していると思いますか?
ただカクテルを作るにとどまらず、空間作りも〝モノ作り〟の部類に入ると思います。
その中で、常にお客様に寄り添ったカクテルを作るようにしています。
カクテルのレシピには四通り、もしくは四つの型と言いますか…スタンダード、師匠のレシピ、自分のレシピ、そして一人一人のお客様のレシピがあると思っています。
単純にお客様のお口に合うレシピでお作りするのもそうですが、お客様のその時の体調をみて、微量ですが調整したり、心地良い時間を過ごしていただくことへ、お客様に寄り添ったカクテルをお作りすること、それがお客様にとって適切な役を演じること、シーン別に合わせた空間作りなど、現在の自分のカクテルの作り方に影響していると思います。